日本には色んなプロスポーツが存在しますが、人気プロスポーツと言えば野球を思い浮かべる方も多いと思います。
そんな日本のプロ野球ですが、やはり本場はアメリカのメジャーリーグで桁違いな規模感と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも実はビジネスの観点から見てみれば、20年程前は日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグは同規模な収益だったんですね。
それが直近は4倍程度の収益差に広がっています。
(メジャーリーグは約6,000億円、日本のプロ野球は約1,500億円)
ということもあり、今回は数々のスポーツチームをサポートしている株式会社フィールドマネジメントの方の著書からメジャーリーグビジネスの実態について見ていきたいと思います。
メジャーリーグビジネスの売上構造
まずは、ビジネスの基本である売上構造から理解しましょう。
各球団で差はあありますが、ざっくり1球団年間100億円の売上があるとすると、下記のような内訳になります。大半はチケット収入やスポンサー収入ということになります。
- チケット 30~40億円
- スポンサー 30~40億円
- マーチャンダイジング(グッズなど) 10~15億円
- 放映権 5~10億円
- スタジアム(飲食など) 3~5億円
- ファンクラブ・スクール 3~10億円
運営方法の違い
続いて運営方法ですが、日本では各球団が独自の裁量で運営するいわゆる「チームビジネス」が中心となりますが、メジャーリーグは「チームビジネス」に加え、リーグから各球団へ分配(年間約30〜40億円)を行う「リーグビジネス」の二つ柱となります。
そんな「リーグビジネス」を成り立たせているのは下記の4事業になります。
- MLBインターナショナル・・・海外ビジネス(海外放映権など)
- MLBプロパティーズ・・・スポンサー獲得や国内放映権
- MLBアドバンスト・メディア・・・オンライン中継やチケット・グッズ販売
- MLBネットワーク・・・ケーブルテレビ会社
いわば「リーグビジネス」とは、全チームが協力してリーグの価値を高めるビジネスであり、球団の「部分最適」ではなく、リーグの「全体最適」を目指しています。
これにより、チームごとに交渉するよりも団結すれば断然交渉力も高まりますし、効率的な運営ができるという事です。
メジャーリーグにとっての競争相手はリーグ内のチームではなくリーグ外のNFLやNBAであり、またスポーツ以外の映画やコンサートといったエンターテイメントも競合と捉え、いかにメジャーリーグに触れてもらう時間のシェアを高めるかに取り組んでいます。
戦力均衡で観客を呼び込む
実はメジャーの「リーグビジネス」はその他にも色々な取り組みを実施しているのですが、その一つが「戦力均衡」です。
これは「年々強い球団が入れ替わる」という意味ですが、リーグや球団が盛り上がる為には、たくさんのチームが優勝争いでしのぎを削り合う状況が欠かせません。
そこで、「チームビジネス」で得た収益の約30%をリーグに集め、各球団に再分配する仕組みをとっています。
これは収益力の差のある下位チームに手厚く収益を分配し、戦力の均衡を担保するという取り組みになっています。
その結果として、過去10年間で9チームがワールドシリーズで優勝しており、2回優勝したのはレッドソックスだけです。
この結果は偶然ではなく、「リーグビジネス」の取り組みの賜物になっています。
また、他にもサラリーキャップで戦力の集中を防ぐ取り組みも行っており、球団の選手年俸合計額が約120億円を超えたチームは超えた20~30%分をリーグに納めなければなりません。
これはラグジュアリータックスと呼ばれ、資金力のあるヤンキースは10年近く連続でリーグに支払いを行っています。
非常に面白いところは、このラグジュアリータックスの行方ですが、3/4をメジャーリーグ・プレーヤーズ・アソシエーションという選手会に送られ、選手の年金などに使われます。残りの1/4は、投資信託で運用されます。
まとめ
メジャーリーグでは日本の親会社持ち球団とは違い、一つのビジネスとして実に様々な取り組みが実施されています。
今回はプロ野球の例についてですが、その他でも応用できる場面は多く個人的にも今後参考にしていきたいと思いました。
Thank you for reading:)
See you next time!