連結売上1兆円を超え、海外展開にも取り組み始めた物流の雄である「ヤマト運輸」は道路や鉄道と並ぶ重要なインフラを担っています。
日本ではヤマト運輸に加え、佐川急便や日本郵便など競合がひしめき、「速く安く多く」運ぶために熾烈な競争を繰り広げていますが、そんなヤマト運輸の山内社長が密かに抱く15年後の脅威がある事をご存知ですか?
今回はそんな非常に興味深い物流業界のトップリーダーが考える15年後の脅威について少し見ていきたいと思います。
“3Dプリンターは全ての業界構造を変える可能性がある”
ご存知の通り、近年「モノ→データ」という流れが加速化しています。
例えば、本も紙が動かなくなりデータになっていますし、音楽もCDがなくなってデータになっていますよね。言わば、データだけがインターネット上で動くという状態です。
そう、まさにヤマト運輸の山内社長が考える15年後の脅威というのは「モノ→データ」によっておこる輸送の需要減と「3Dプリンター」の開発なのです。
どういう事かというと実は現在ヤマト運輸の7割以上は法人のお客さんで、例えば車の部品などを輸送したりする事で収益を上げているわけなんですね。
それが近年、例えば車で言うとネジとかって他品種なので在庫をしておくのが大変で、それを解決する為にメーカーがそれぞれネジのデータを作成し、納品先の工場に3Dプリンターを買ってもらって、データとして販売し、納品先で出力して下さいという事になるんではないかという事。
実はこれぐらいの技術はもう既にかなり実現されており、もしかするとそれによって輸送ニーズが激減するのではないかと脅威に感じているという事なのです。
それでは、実際に現時点でどんなものが3Dプリンターで出力できるのか少し具体的に見てみましょう。
まさかそんなものまで3Dプリンターで出力できるのか?!
1, 食品
ピザやチョコなど色んな食べ物を出力する事ができます。将来的には、一流シェフや個人が3Dプリンターで出力用のレシピデータを作成して販売できる時代になりそうですね。また、長期にわたって宇宙を旅する際の食事手段としても利用する為にNASAが3Dプリンターのメーカーに本格的に出資したという話も話題になっています。
2, 衣服
3Dプリンターを用いると服の縫い目を必要としないので、服のデザインの幅が広がります。また、サイジングについても自分の身体からスキャンでデータを読み取ってベストフィットの服を作ることができるという実はすごい可能性を秘めています。
3, 車
Urbee2でも有名になりましたが、車もミクロのレベルまで正確に各パーツを出力する事が可能で、自動車製造工程のほとんどが既に自動化されています。
もちろん、エンジンやシャシーは鋼鉄製ですが、3Dプリンターで作られたパーツを組み立てて製造され、効率性や安全性が高く、修理も容易にできるようになっています。
4, 武器
今までは銃身が溶けるというアクシデントが重なり不可能とされていましたが、いよいよテストにも成功し、その様子がYoutube上に公開され、話題になりました。これは恐ろしい以外の何物でもないですね。
5, 家
CAD図面をデータで読み込み、巨大な3Dプリンターで出力できるようになっています。まだ、スピードなどの面で問題はありますが、これから十分改善されていく事でしょう。ちなみにその様子は下記をご参照下さい。
こうやって見ると本当に数年先の事って予測できませんよね。
例えば、音楽業界は一昔前までCDので売上が大きな収益源でしたが、デジタルにリプレイスされ、現在ではライブで何とか収益を上げようとしています。しかし、今度はライブ会場不足という新たな問題に直面していますし、予想を超えた現象が起こっています。
どちらにせよ、どの業界で働こうがこの変化に対応し続けるしかないという事でしか上手く生き残る事ができない時代になってきたという事でしょうか。
それでは、今日はここまで!
Thank you for reading:)
See you next time!
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